[2011 009] フリー戦略を考えよう。

ari0358

2011年01月24日 22:50

昨年のベストセラー「FREE フリー/クリス・アンダーソン」読みましたか?
今年も引き続き、フリー戦略は有効になるでしょう。

「フリー」は、難しい話ではありません。一番身近なものが民法のテレビ。NHKは受信料を払ってみますが、民法のテレビは、コマーシャルのスポンサーで成り立っています。つまり、視聴者からみれば「フリー」

また、有名なところでは、雑誌「R25」。首都圏を中心に配布(発行)されているフリーペーパーです。これも、広告収入で成り立っており、購読者からみれば「フリー」

広告付きのポケットティッシュも「フリー」である。

インターネット上のブログ作成サイトも同じような構造になっています。ブログに表示する広告収入を得て、ブログ作成者は無料でブログを使うことができます。この場合、広告非表示で有料サービスになることもあるようです。

さて、この「フリー」は大きく4つに分類される。(雑誌週刊ダイヤモンド「FREEの正体」から抜粋)

1.直接的内部相互補助

 あるモノやサービスを売るために他の商品を無料にするという手法が代表例。フリーを享受する者が結局なんらかの形でカネを支払うことになる。

2.三者間市場

 二者が無料で交換する市場があり、第3者がその費用を負担するモデル。広告収入に依存する事業が代表格だ。ただ、一見第三者がコストをすべて負担しているように見えるが、その費用は商品の代金に上乗せされて結局消費者が払っている。

3.フリーミアム

 ウエブ上のビジネスとして一般的な手法で、有料のプレミアム版の利用者が無料利用者をカバーするモデル。一般に「5%ルール」と呼ばれ、典型的なオンラインサイトは5%の有料ユーザーが残りの無料ユーザーを支えると言われている。それが可能なのは、95%の無料ユーザーにサービスを提供するコストが、無視できるほどゼロに近いためだ。

4.非貨幣市場

 金銭以外にも人は動機づけされる。注目や評判を得るために無料のものを提供することもあるし、無料のものを手に入れるために金銭ではなく無償の労働を差し出すこともある。たとえば行為を無償で提供し合う例としては、アマゾンのブックレビューやウィキペディアがある。注目や評判の価値を数量化できれば貨幣に代わる通貨ともなりうる。

『フリーのルール』(書籍「FREE」より)

1.デジタルのものは遅かれ早かれ無料になる
2.アトムも無料になりたがるが、力強い足取りではない
3.フリーは止まらない
4.フリーからもおカネ儲けはできる
5.市場を再評価する
6.(あるもののコストがゼロに向かっているのなら、いっそ真っ先に)ゼロにする
7.遅かれ早かれフリーと競い合うことになる
8.ムダを受け入れよう
9.フリーは別のものの価値を高める
10.希少なものではなく、贅沢なものを管理しよう

さて、「フリー」をもっと知りたい人は書籍を読んで頂きたい。

フリーのビジネスチャンスを身近なところで考えていくことが重要である。
アイデアを少し・・・

1.個人(中小企業)新聞の発行。これは、「2.三者間市場」を活用したものである。地域社会、特に地方都市の田舎町ではまだインターネットよりも新聞、広告の情報が主となる。
 目新しいことではないが、小さなお店、中小企業がお店の広告ではなく、地域社会活性化に向けた情報新聞を発行する。新聞には、比較的大きな企業もしくは他の中小企業の広告をとり、その広告費で新聞の制作、印刷、新聞折り込みを実施する。
 新聞購読者へ、ちらしの1枚としてよりも新聞と同様な読み物として価値を与えれば効果は倍増である。
 「FREE」に続く、今年の話題書籍「シェア(共有)」の考え方も少し取り入れたものである。広告費をシェアする。

2.無料タクシー、無料配達。地方都市の高齢化をねらって、高齢者への無料タクシー、無料配達。
 すでにありそうなサービスなので詳細は、省きますが、高齢化社会での「フリー」もありそうですね。

 フリー戦略は、「誰に」フリーでモノ(情報、喜び)を提供して、「誰から」その見返りをとるかを考えることが基本である。

 フリーのルールにあるように、デジタルのモノはフリーになるだろうし、それ以外のモノもフリーを考慮したビジネスモデルが今後の主流になるような気がします。
 また、前述した「シェア(共有)」も重要なキーワードになりそうです。

参考文献


Arigatou Research Institute,2011




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